作業用・工事用ヘルメットのお問い合わせを頂く中で、よくあるご質問をまとめました。
A. 飛来落下物用・墜落時保護用・電気用帽子といった違いがあります。
現場作業で使用される工事用ヘルメットは、いずれも厚生労働省の「保護帽の規格」に準じて製造されています。
「保護帽の規格」の中には「保護帽の使用区分」があり、作業内容に応じた工事用ヘルメットを被らなければなりません。
区分:飛来落下物用
飛来物または落下物による危険を防止、または軽減するための工事用ヘルメット。
区分:墜落時保護用
墜落による危険を防止、または軽減するための工事用ヘルメット。
ヘルメットの内部に衝撃吸収ライナー(樹脂製や発泡スチロール製)が入っているのが特徴です。
※倉庫の積み荷の上、車輌の上などや足場あるいは安全帯が使用できない場所からの墜落による危険を防止、もしくは軽減するためのものです。
※構築物や電柱などのような、高所からの墜落による危険までも防止できるものではありません。
区分:電気用帽子(使用耐電圧7,000V以下)
使用電圧7,000V以下で頭部を感電による危険から防止するための工事用ヘルメットです。
通電防止のため、通気孔が塞がっているのが特徴です。
※着脱式バイザーのヘルメットは、通気口が塞がっていても電気用にはご使用できません。
※濡れているヘルメットは7,000V以下でも感電する恐れがあります。電気工事の場合はよく乾かしてからご使用ください。
A. 耐熱性・耐候性・耐電圧性・耐薬品性等の違いがあります。
ABS樹脂製
特 長 :耐電圧性能には優れますが、高熱・溶剤・薬品環境下での使用には不向き。 交換の目安:使用期間3年以内
工事用ヘルメットの中で一番多く扱われている材質が、「ABS樹脂」です。
直射日光(紫外線)を長時間浴び続けたり、シンナーやアルコールで汚れを拭くと劣化が進みます。
PC樹脂製
特 長 :耐候性はABSより優れていますが、溶剤、薬品などには不向き。 交換の目安:使用期間3年以内
高い透明性・耐衝撃性・耐熱性が特長の「PC樹脂」です。
特に耐衝撃性は、ABS樹脂のなんと5倍と言われています。
太陽光・風雨・温度変化等の自然環境に強く、変形・変色・劣化等の変質を起こしにくい素材です。
総合的に『耐候性』に優れているので、屋外の作業に最適化されています。
PE樹脂製
特 長 :有機溶剤系の薬品を使用する環境には最適。 交換の目安:使用期間3年以内
耐電性、耐薬品性、耐油性、耐寒性は高いものの、残念ながら熱には弱いんです。
火や火花を扱うような作業現場にはお気を付け下さい。
接着性が低いので、印刷や塗装には注意した方がいいみたいですよ。
FRP樹脂製
特 長 :耐候性、耐熱性は優れるが電気用としては使用できない。 交換の目安:使用期間5年以内
軽くて高い強度が特長で、耐熱性、耐候性、耐溶剤薬品性いずれも優れています。
一部の工事用ヘルメットを除いて耐電性はありませんので、電気工事には使用しないで下さいね。
A. 樹脂素材によって異なりますが、3年から5年以内です。
工事用ヘルメット(異常が無い状態) ABS樹脂製:使用期間3年以内 PC樹脂製 :使用期間3年以内 PE樹脂製 :使用期間3年以内 FRP樹脂製:使用期間5年以内 着装体(内装):使用期間1年以内
使用期限は以上のように定められていますが、もちろん使用状況で変わりますのでご注意くださいね。
工事用ヘルメットは時間の経過とともに性能が低下し、見た目以上に劣化が進んでいる場合があります。
特に一度でも衝撃を受けた工事用ヘルメットは、見た目に異常が無くてもご使用はお止め下さい。
なお、使用期限は目安であり保証期間ではありません。
また、法的な規定もありません。
A. 使用年月から数えて下さい。
工事用ヘルメット製造業者28社からなる一般社団法人「日本ヘルメット工業会」では、使用年月からの保護帽交換目安をお願いしています。
工事用ヘルメットが作られた年月ではなく、自分が使用を開始した年月から数えれば良いようです。
また、取扱説明書の把握、ご使用前の事前点検はしておきましょう。
A. 試験の結果で定めてますが、あくまで目安です。
工事用ヘルメットの交換時期(耐用年数)は、各工事用ヘルメット製造業者による屋外暴露試験などの結果をふまえて定めています。
ただし、法的な規制ではなくあくまでも目安です。
その理由は、それぞれ使用頻度、取扱状況、保管方法などが異なるため、ハッキリとした耐用年数を定めることができないからです。
「保護帽取扱いマニュアル」に記載されている使用めの事前点検実施項目を確認し、ひとつでも該当する場合は耐用年数を迎える前に交換して下さいね。
着装体(内装)の交換目安が1年なわけ
着装体(ハンモック、汗止め)やあごひもは合成繊維製が多く、使用状況により縫い目が解けたり、破れたり、劣化して行きます。
また、頭の脂、汗、汚れなどは落ちにくく、匂いなどで衛生上も良くありませんよね。
消耗品としてそのような使用状況を想定しているため、1年以内の交換を推奨しています。
A. 工事用ヘルメット内部の「労検ラベル」を確認しましょう。


厚生労働省「保護帽の規格」に適合した型式検定合格の工事用ヘルメットには、
帽体の内側に「労 検」の文字が記載されている「労検ラベル」が貼られています。
「労検ラベル」には、「製造年月」が表示されていますので参考にして下さい。
※なお、保護帽交換の目安は「製造年月」ではなく「使用年月」からになります。
なお、使用状況により「労検ラベル」の文字がカスレたり、シールが破けることも考えられます。
必要であれば、写真などで記録しておくのも良いかもしれませんね。
作業現場の安全を考える上で、工事用ヘルメットの耐用年数は避けて通れません。
でも「何年何月から使用開始したか」なんて、3~5年後まで記憶しておくのは実際難しいですよね。
より高い安全性を求める法人様は、「使用開始日」や「有効期限」の名入れ加工をご検討してみてはどうでしょうか?
A. 「労検ラベル」は厚生労働省検定合格品の印です。
「労検ラベル」というのは、厚生労働省「保護帽の規格」に適合した型式検定合格ヘルメットのみに貼られるシールのことです。
つまり、「労検ラベル」が貼ってないヘルメットは、法律(労働安全衛生法)で定めた多くの作業現場に入場できません。
「労検ラベル」には何が記載されているの?

・工事用ヘルメットの形式名称(品名) ・工事用ヘルメットの材質 ・検定取得年月(製造日ではありません) ・検定合格番号 ・製造業者名 ・製造年月 ・使用区分 …など、多くの情報が盛り込まれています。 ※工事用ヘルメット製造メーカーにより表記が異なります。
「労検ラベル」の免責事項
厚生労働省の定める「保護帽の規格」は、頭部の安全を確保するための最低限の基準を定めたものであり、保護性能には限界があります。
従って「労検ラベル」は絶対的な安全性を保証するものではありません。
使用するに当たっては最大限の注意を払い、常に安全な作業をするよう取扱説明書に従ってご使用ください。
A. 軽作業帽は厚生労働省検定規格外です。
厚生労働省の検定規格外になる軽作業帽には、保護性能はほとんどありません。
厚生労働省が、法律(労働安全衛生法)で定めた危険な場所でのご使用は非常に危険です。
軽作業帽では、飛来落下物用や墜落の危険性がある場所で頭部を保護することができません。
絶対におやめください。
※軽作業帽使用場所の一例:自動車工場の組み立て作業、機械装置の組み立て・調整作業、運送業の集配拠点の荷の積み卸し作業等
A. より一層、衝撃性能が高いためです。
一例として、50cmの高さから鉄板の上に転倒する事故が起きた場合で説明します。
工事用ヘルメットを被らなかったら?
工事用ヘルメット無しの場合、衝撃荷重は約17kN(1700kg)にもなります。
この衝撃は、脳しんとうを越えて頭蓋骨骨折を引き起こすほどの数値です。
現場作業での危険性は、物体の落下や高所からの墜落だけではありません。
「飛来落下物用」の安全性は?
同じ事故で、「飛来落下物用」区分の工事用ヘルメットを被っていたらどうでしょう。
無帽に比べて衝撃荷重は約2/3に減少しますが、脳しんとうの限界域を超えて脳に障害を与える可能性があります。
「墜落時保護用」の安全性は?
では、「墜落時保護用」区分の工事用ヘルメットを被っていたらどうでしょう。
衝撃吸収ライナー(発泡スチロールなど)が入っていることもあり、衝撃荷重は約5kN(500kg)を下回ります。
さらに、転倒の高さを倍の1mにしても衝撃荷重を約7kNに抑えられるという結果が出ています。
脚立からの落下、油っぽい床、水たまりのある鉄板、狭い足場など、作業現場は常に危険と隣合わせです。
以上の理由から、近年では「墜落時保護用」区分の工事用ヘルメットの有効性が見直されています。
※この項目は安全運動啓蒙のため、一般社団法人 日本ヘルメット工業会様のHPより引用致しました。
A. いいえ、ご使用できません。
自転車用ヘルメットと工事用ヘルメットは、保護範囲、衝撃吸収性能、あごひもの強度などにおいて安全基準がまったく異なります。
工事用ヘルメットは自転車用ヘルメットの代わりになりませんので、ご使用はお控えください。
より詳しい情報は、以下のリンク先をご覧下さいませ。
→ 保護帽について(PDFファイルが開きます)
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