ご注意ください! トラック荷役作業時のヘルメットが義務化されます

 

皆さん、こんにちは!

トラックでの荷役作業中に足を滑らせてヒヤッとしたことはありませんか?

転んで尻もちをついて「イテテ…」ですめば良いのですが、頭から落ちたら大怪我に繋がるかもしれません。

 

2023年10月1日から規則が変わり、一部トラックの積み卸し作業時にヘルメット着用が義務化されることになりました。

今回の記事では、トラック労働災害の現状や罰則、新しいルールと必要なヘルメットについて紹介します。

 

 

交通事故より5倍多い労働災害とは?

一般的に運送業やトラックの労働災害というと、交通事故のイメージが強いですよね。

確かに、陸運業で最も多い「死亡災害」は交通事故で約30%以上を占めています。

 

ただし、負傷事故を加えた「死傷災害」になると話は別です。

交通事故の5%に対し、その5倍の25%を「墜落・転落」事故が占めています。

 

また、統計資料によると、陸運業の労働災害全体では「死亡者数」が減少している一方で、「死傷者数」は増加傾向にあります。

昨年(2022年)の死傷者数は、過去20年で最も多い16,580件もありました。

命にかかわる事故は減っているものの、骨折や打撲など怪我を負うケースが年々増えています。

 

 

どんな時に転落事故が起きる?

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独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所のリーフレット「陸上貨物運送事業におけるトラック荷台からの転落を防ぐために」から引用

 

上の円グラフは、陸運業で休業4日以上の労働災害の中から、トラック荷台からの転落原因をまとめたものです。

 

トラックの荷台からの転落原因で、最も多いのが「荷台への昇降時の転落」でした。

その中でも特に「荷台から降りる時」に事故が集中していました。

しかも、「墜落・転落」被災者のうち、過半数が1ヶ月以上の休業を余儀なくされています。

 

つまり、荷下ろし作業中に転落事故が起きやすく、長期休業しなければならない労働災害が多いということです。

昇降時の手順を省略したり、積み卸し作業を急いでいると、荷台から転落しやすいのかもしれません。

 

 

荷役作業の落とし穴 ~高さ2m未満の転落事故~

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事例:足を滑らせてリアバンパーから転落(死亡災害)

 

コンビニ配送中のあるドライバーさんは、ダンボールを持って荷台からリアバンパーに足をかけて後ろ向きで降りようとしたところ、足を滑らせてしまい頭部を強打して亡くなってしまいました。

このときのリアバンパーの高さは、52cmだったそうです。

ドライバーさんはヘルメットを被っていませんでした。

 

陸運業で最も多い労働災害「トラック荷台等からの墜落・転落」のうち、67%の被災者がヘルメットを着用していません。

しかも、その多くが「高さ2m未満」の転落でした。

 

トラックの荷台の低さを理由にヘルメットを被らないケースが多く、重大な事故に繋がりやすいことがわかります。

 

 

墜落・転落が最も多いトラックの種類は?

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平ボディトラックは利便性が高く、仕事で使われている方も多いですよね。

箱形の荷台がない代わりに「あおり」と呼ばれる板で囲われており、積み卸ししやすいのが特徴です。

 

しかし、平ボディトラックでも次のような労働災害が起きています。

  • 荷締めするために乗った高さ1.5mのあおりの上から墜落。(死亡災害)
  • 雨が降り出して荷台の雨除けシートを手直ししていたところあおりから墜落。(死亡災害)

 

貨物自動車の「墜落・転落」事故から「死亡・休業1か月以上の災害」を調べてみると、

「平ボディトラック」の事故率は非常に高く、貨物自動車全体の約65%を占めていることがわかりました。

使い勝手の良さや親しみやすさから、荷役作業中に緊張感が薄れるのかもしれません。

 

2023年10月からは、2トントラック平ボディの積み卸し作業時にもヘルメットの着帽が義務化されます。

 

 

ヘルメットを着用しない場合の罰則は?

もしトラックの荷役作業中にヘルメットを着用していなかったら、どんな罰則があるのでしょうか?

東京労働局 労働基準部 安全課へ電話して確認しました。

 

結論から言うと、「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」になります。

(労働安全衛生法 第20条の措置義務違反、罰則 第119条を適用)

 

このような罰則を受けないためにも、きちんとヘルメットを被りましょう。

 

 

荷役作業には墜落時保護用ヘルメット

着用するヘルメットは何でも良いというわけではありません。

トラックの荷役作業で使用する場合は、「墜落時保護用」ヘルメットを着用する義務があります。

 

「墜落時保護用」ヘルメットは、内部に衝撃吸収ライナーが入っているのが特徴です。

衝撃吸収性能・安全性が高く、トラックの荷台からの墜落・転落事故を軽減することができます。

 

衝撃吸収ライナーの材質は、発泡スチロール製と樹脂製の2種類があります。

頭の熱や蒸れが気になる方は、通気性の良い樹脂製ライナーの「墜落時保護用」ヘルメットがおすすめです。

 

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発泡スチロール製の衝撃吸収材
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樹脂製の衝撃吸収材(DIC エアロメッシュ)
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樹脂製の衝撃吸収材(谷沢製作所 エアライト)

 

上記3つの写真はいずれも「墜落時保護用」ヘルメットです。

しかし、「発泡スチロールが入ってない」=「墜落時保護用ではない」と誤解されることもあります。

「墜落時保護用」合格品かどうかは「労検ラベル」で確認できますが、ご使用の判断に迷われる場合は責任者の方へご相談ください。

 

 

墜落時保護用ヘルメットか確認する方法

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内装で隠れた「労検ラベル」
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内装をめくると「労検ラベル」が現れます
fall-protection-helmet-3
「墜落時保護用」と記載があれば合格品です

 

ヘルメットが「墜落時保護用」か確認する場合は、内側に貼ってある「労検ラベル」をチェックしましょう。

見つからないときは、ヘルメットの内装に隠れていることもあるので探してみてください。

「労検ラベル」に「墜落時保護用」と記載されていれば合格品です。

 

 

まとめ

トラックは「墜落・転落」事故率が高く、低い荷台での作業も決して安全ではないことがわかりました。

10月からは、2トン以上5トン未満のトラックの荷役作業でもヘルメットを被る必要があります。

(平ボディ車・ウイング車・テールゲートリフター設置車など)

 

適切なヘルメット選びと定期的な点検を忘れずに行い、安全第一で仕事に取り組みましょう。

今日も一日、ご安全に。

 

 

ヘルメット着用義務が適用されるトラックの種類について、詳しく知りたい方は下記資料をご覧くださいませ。

 

[参考資料]

 

 

おすすめの墜落時保護用ヘルメット

次にご紹介するヘルメットは、すべて「墜落時保護用」合格品です。

トラックの荷役作業時にも使用できるのでご参考にしてくださいね。

 

超軽い工事用ヘルメット『軽神』

手に取ると「かるっ!」と声が出てしまうほど、とても軽いヘルメットです。

日常的に被っていても首や肩に負担がかかりません。

lightest-helmet-industry

 

 

涼しい洗えるヘルメット

発泡スチロールの代わりに樹脂製の衝撃吸収材が入っているヘルメットです。

発泡スチロールが無いので通気性が良く、蒸れにくいのが特長です。イヤなニオイも丸ごと水洗いできます。

 

涼しい洗えるヘルメットをまとめたページはこちら。

涼しい洗えるヘルメットをまとめたページはこちら

 

 

夏の荷役作業に対応した遮熱モデルもあります。

cool-washable-thermalbarrier-helmet

 

 

リーズナブルなヘルメット

お買い求めやすい墜落時保護用ヘルメットです。

運送会社様から大口注文を頂いた実績もございます。

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