解体工事や斫り工事、吹き付け工事やトンネル工事等…
現場によっては粉塵が舞うため防じんマスクが必要になる場合がありますよね。
そのような場合、防じんマスクと併せて、保護メガネやゴーグルを装着される方が多いかと思います。
とは言え、素早く作業を済ませるために作業用・工事用ヘルメットのシールド面だけの保護で済ませている、といったお話を耳にしました。
それを聞いて「防じんマスクをつけながらシールドを引き出して、本当にお顔を守れているんだろうか・・・?」と、
心配になってしまいましたので、今回は主要なシールド面付き作業用・工事用ヘルメットと防じんマスクを併用して、
その保護度合いを検証してみました。
~ 検 証 内 容 ~
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防じんマスク + DICのワイドシールド面付き作業用・工事用ヘルメット
まずは、ワイドなシールド面が特長の作業用・工事用ヘルメット DIC AA11EVO-CSW。
ワイドな分、横からの飛来には最も期待できそうな気はします。
**** 結 果 ****
防じんマスクの鼻部分にシールド面の先端がぶつかってしまい、それ以上引き出すことができませんでした。
作業用・工事用ヘルメットから引き出したシールド面が防じんマスクに当たり、目元を隠すのがやっとです。
一応、「目」に関してはかろうじて正面・横斜め方向、真横からは守れそうですが、
両頬は隠れておらず破片が飛散するような作業では危険でしょう。
下方向からの飛来がある場合は、目も危なそうです。
防じんマスク + スミハットの大型シールド面付き作業用・工事用ヘルメット
同じく大型のシールド面で人気のスミハットの作業用・工事用ヘルメット KKC3S-B。
形がいいという事で人気がありますが、防じんマスクとの組み合わせでも、様になるでしょうか・・・?
**** 結 果 ****
やはり防じんマスクの鼻部分にシールド面が引っかかってしまいました。
先ほど検証したDICの工事用ヘルメットよりもシールド面の先端がやや鋭角になっているためほとんど引き出せず、
両頬どころか目の保護もかなり限定的な状態となってしまいました。
この状態で使われてしまうと、かなり危なそうです。
ちなみに、シールド面は最後まで引き出さないと、その機能を十分に発揮できません(汗
防じんマスク + スミハットのコンパクトシールド面付き作業用・工事用ヘルメット
続いて、コンパクトなシールド面が特長のスミハットSAX2S-Aを試してみます。
**** 結 果 ****
シールド面は最後まで引き出すことができました。
側面からの飛来や粉塵の吹き込みには効果が期待できないものの、
防じんマスクのパーツにぶつかることなく、シールド面を最後まで引き出すことはできました。
ひとまず、正面からの飛来に対して保護するという事であれば、一定の効果が期待できそうです。
以上のことから、今回検証した3種類のヘルメットの中で、
スミハットのコンパクトシールドが防じんマスクと作業用・工事用ヘルメットを併用する作業に最も適していると言えます。
なぜシールド面を最後まで引き出せたのか?
スミハットのコンパクトシールド面付き作業用・工事用ヘルメットと防じんマスクの相性が良かった要因は、
単純にシールド面が小さかったからだけでなく、そのシールド面の角度がポイントでした。
横から見てみると、今回検証したスミハットのコンパクトシールドは小さいだけでなく、
シールド面が斜めに取り付けられていることがわかります。
やや前方に引き出す構造のため、防じんマスクにぶつかることなくシールド面を最大限まで引き出せました。
現場の特性に合わせて、できる限りベストな安全策を講じて頂きたいと願っていますが、
もし防じんマスクと作業用・工事用ヘルメットのシールドを併用されるのでしたら、
今回の検証の結果から、当店ではスミハットのコンパクトシールド面付き作業用・工事用ヘルメットを一番おすすめします。
今回の検証でマネキンに装着させた防じんマスク(興研 7121R-03)は、
アスベスト(石綿)除去作業用マスクの区分3、4にも対応しています。